不動産購入を検討する際には、専門的な内容が数多く登場するため、ほとんどの方が不安に感じられます。ここでは、マンション購入をこれから検討される方に向けて、購入までの流れと注意すべきポイントを解説していきます。

One point advice

物件を探し始めてから引渡しを受けるまでは、早くても1ヶ月程度の期間が必要です。
当然希望する物件がすぐに見つかるとも限りませんし融資の利用有無などの購入条件によっても手続きに必要な期間は変動します。
不動産は出会い物でもあるため、余程の事情がない限り「いつまでに購入する」と目標を定めて購入活動を行うのはおすすめできません。
特に投資用マンションの場合は、購入のタイミングがその後の運用に大きく影響します。まずは気長に構えながら不動産の知識や物件を見る目を養っていきましょう。

物件探し

Research

新築マンションの場合、基本的にはマンションを開発した不動産会社から直接購入します。
それは、「新築か中古、どちらを購入するか」です。どちらを購入するかによって、物件の探し方や物件代金以外にかかる諸費用の金額が変わります。

新築マンションの場合

探し方は、インターネットの物件HPなどから売主である不動産会社へ問い合わせをし、資料請求や内覧を行います。
新築マンションは、不動産会社からの直接購入であるため仲介手数料は発生しませんが、そもそも物件の数が少なく、自ら情報にアクセスし続ける必要があるため、中古と比べると間がかかる場合があります。

中古マンションの場合

中古マンションの場合、不動産仲介会社を通じて購入します。
探し方は、スーモやアットホーム等の不動産情報サイトから興味のある物件に直接問い合わせる方法、そして不動産仲介会社に希望条件を伝えておき、代理して探してもらう方法があります。
例外はありますが、どちらも不動産仲介会社が介在しており、購入時には仲介手数料が発生します。
新築マンションと比べて諸費用額は高くなりますが、物件の流通量が多く、売主との値段交渉なども不動産仲介会社に代理してもらえるため、ご自身の手間を省くことが可能です。

物件探しのポイント

新築・中古ともに、物件を探すうえで一番大切なことは、「適正価格の物件を見つける」ことです。
居住用マンションの場合は、購入される方のライフスタイルや趣味嗜好により、価格の良し悪しは判断されます。 しかし、投資用マンションの場合はエリアや築年数により適正価格が概ね決まっており、その物件の価格が適正か否かは「利回り」で判断されます。
この利回りは、年間の賃貸収入を物件価額で割ることで算出します。この利回りについては、奥深く専門的な分野であることから本記事では詳しく解説しませんが、簡単に言うと、「算出された利回りがエリアの類似物件の利回りと比較して高いか安いか」で適正価格か否かを判断するべきということです。ここで注意が必要なことは、新築マンションの場合、売主である不動産会社が、新築であることを理由に周辺相場よりも高い賃料設定で営業トークをしている場合があります。
確かに、新築の場合、初期は高めの賃料設定で貸せることが一般的ですが、当然、数年後は周辺相場なみの賃料設定に戻さなければ、貸すことが難しくなります。
現在はインターネット等でエリアの賃料相場や将来賃料想定などの情報がたくさんありますので、しっかりと賃料分析を行っておきましょう。
なお、中古マンションの場合は、リフォームを施すことで物件価値を上げることも可能です。
気に入った中古物件の築年が古く、そのために周辺相場よりも賃料が低い場合には、リフォームを検討されてください。
その際には、リフォームをすることで、どの程度の賃料アップが見込めるのか、不動産会社の意見も取り入れながら慎重に分析を行ってください。

マンション購入/売却利益計算
シミュレーション

購入申し込み

Request

気に入った物件が見つかったら、購入申込書を売主に提出します。

購入申込書は、購入意向を示すほか、希望する契約条件や購入金額を記載します。この時点で売主が条件に合意した場合は、売主から売渡承諾書を貰い契約へと続きます。

この購入申込書には法的拘束力が無く、途中で購入をキャンセルした場合でも、ペナルティが課せられることはありません。良い物件は他の検討者も多くいることから、気に入った物件が見つかった際は、とにかく購入申込書を早めに提出し、交渉を行うことをおすすめします。但し、交渉中は売主の売却活動が保留されるため、購入可能性が低いにも関わらず購入申込書を出すことはご法度です。ぜひ、誠意を持って提出してください。

融資を利用する場合は、この時点で金融機関へ事前審査の申込みを行います。金融機関はご自身で見るけるほか、新築マンションの場合、不動産会社の提携ローンも利用できる可能性があります。

契約

Agreement

条件が整えば、不動産売買契約の締結を行います。 ここでは、売買契約書の注意点のほか、重要事項説明と手付金についても解説します。

売買契約書について

売買契約書をみる際は、「売買代金の額」「支払い時期と方法」「解約時のペナルティ」の3つは、直接お金に関わることなので、特に注意してください。
契約書の内容が事前協議の内容と著しく異なる場合、新築物件ではクーリングオフ制度を活用できる可能性があります、一方、個人が売主の中古物件の場合はこの制度が適用されません。
事前に打ち合わせた内容と異なる箇所がないか、また現在までに知らなかった内容が突然加わっていないか、しっかりと確認しましょう。
また、この契約書には印紙を貼付する必要があります。契約金額により印紙代金が異なりますので、購入される前に必ず不動産会社へ確認をしてください。

重要事項説明ついて

契約を行う前に、宅地建物取引業法の規定により、不動産会社から重要事項説明書の交付および説明を受けることになります。
この重要事項説明は、法律により契約締結までの間に不動産の国家資格者である宅地建物取引士が説明を行うとされています。
その名のとおり、この内容は購入判断にも関わるような重要な内容ですが、実務上は契約当日に、締結するその場で説明されることが一般的となっています。専門的な内容が多く分かり辛いため、少々疑問点があっても説明されたまま流してしまう方が多くいらっしゃいます。
皆さんが購入される際は、契約当日までに重要事項説明を受けるための日を別途設け、説明を受けることをおすすめします。

手付金について

契約締結時に、売買代金の一部を手付金として売主へ支払います。残りの金額は無事に決済となった時、支払うこととなります。
この手付金の金額は任意ですが、一般的には売買代金の10~20%で設定されることが一般的です。
もし、買主側から購入のキャンセルをする場合、この手付金を放棄することで、その他の金額を支払うことなく購入を中止することができます。
一方、売主側から売却のキャンセルをする場合は、手付金を返金するとともに、手付金と同額を買主に支払うことで売却を中止することができます。

決済

Payment

売買契約締結後、1~2ヶ月程度で決済を行います。この決済時に売買代金の残額を売主へ支払い、同時に物件を引き受けます。また、下記の様な諸費用を支払います。
仲介手数料(中古物件の場合のみ)※契約時半金、決済時半金の場合もあり。
登記費
融資関連費(融資を利用する場合のみ)etc
諸費用はおおむね物件代金の5~15%程度と言われており、融資利用の有無など状況により大きく変動します。
物件を探される際に、まずはご自身の状況でどの程度の費用が発生するか、不動産会社に相談してください。

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